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【プロ直伝】損しない、事故車と修復歴車の見分け方

2024.05.14

「事故車」とは何か知っていますか?「修復歴車」との違いは何か分かりますか?

意外と知られていないこの2つの違いが、車を手放す時も、買う時も重要になってきます。実は車の業界では、事故をしたかどうかよりも、車の評価としては修復歴「あり」か「なし」かが重要なのですが、この違いはよく勘違いされているのでご説明します。

本記事では、事故車と修復歴車の見分け方、修復歴車になりやすい修理箇所、不正な修復歴車や悪徳業者の存在などについて解説していきます。修復歴車の購入を検討する際に、知っておくべきポイントを詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。

「事故車」≠「修復歴車」 2つの違いは?

事故車と修復歴車は、よく混同されがちですが、実は全く別の意味を持っています。

つまり事故をした車でも、適切に修復されれば修復歴車とは呼ばれません。逆に軽微な事故でも、構造部分を修復した場合は修復歴車となります。

事故車の定義

事故車とは、交通事故などで損傷を受けた車両のことを指します。損傷の程度は問われず、軽微な接触事故で傷がついただけの車も、大きな事故で大破した車も、事故車と呼ばれます。

例えば自転車と車が接触すると事故の扱いとなり、”事故歴あり”と判断されます。ただし事故車であっても、適切に修復されれば、安全性や走行性能に問題はありません。そのため、車の評価としては事故に対して修理の度合いが浅ければ、”修復歴あり”とは判断されなかったりします。

修復歴車の定義

上記でも少し触れましたが、車の評価に関わってくるのは、事故の有無ではなく、修復歴が「あり」か「なし」かです。

修復歴車とは、事故や故障などで損傷した車両を修復した車のことを指します。修復の内容によって、修復歴が「あり」になるか「なし」になるか判断されます。

「修復歴なし」になる事故:外装部品の交換や板金・塗装のみを行った車両です。このような修復は、車の骨格に影響を与えないため、修復歴車とはみなされません。

「修復歴あり」になる事故:フレームやピラーなどの骨格部分を修復した車両です。骨格部分は車の強度や安全性に直結する重要な部分であるため、一度損傷すると完全に元通りに修復することは難しいとされています。そのため骨格部分を修復した車両は、修復歴車として扱われます。

 

修復歴車になる修理箇所

修復歴車となるかどうかは、修復した箇所によって判断されます。一般的に外装部品の交換や板金・塗装のみでは修復歴車とはみなされませんが、フレームやピラーなどの骨格部分を修復した場合は、修復歴車として扱われます。ここでは代表的な修復箇所について詳しく説明します。

ダッシュパネル(フロントインナー)の修復

ダッシュパネルは、車の前部にある部品で、エンジンルームと車内を隔てる壁の役割を果たしています。この部分は衝突の衝撃を吸収する重要な役割があるため、ダッシュパネルを修復した車両は修復歴車となります。ダッシュパネルの修復は、パテを塗って元の形状に戻したり、インナーの部分を板金する作業が必要です。作業工程により、ダッシュパネルの部分が弱くなっていて、錆が出ていると修復歴ありと判断されることがあります。

フロントピラー、センターピラーの修復

フロントピラーとセンターピラーは、車の屋根を支える柱の部分です。この部分は、車両の強度や剛性を保つ上で非常に重要な役割を果たしています。これらのピラーを修復した車両は、修復歴車となります。ピラーの修復の有無が重要のため、例えばドアが閉まっている状態で、側面が損傷してドアを交換に至ったとしても、ピラーを修復していなければ「修復歴なし」ということになるのです。ただし修復はしていなくても、ピラーにヘコミが生じていると「修復歴あり」に充当する場合もあるため注意しましょう。

サイドシール、バックパネルの修復

サイドシールは、ドアの下部にある部品で、車体の側面を構成する重要な部分です。バックパネルは、リアゲートやトランクの後ろにあるパネルで、車体の後部を構成しています。サイドシールも、板金までなら「修復歴なし」と判断されることもありますが、カットしたり溶接したりしていると修復歴車の扱いとなります。

バックパネルは、リアゲートやトランクの開閉に影響するため、修復不良があると開閉不良などのトラブルにつながる可能性があります。これらの部分の修復も、パネルの交換や板金・塗装で対応できた場合には「修復歴なし」と判断されます。しかし、例えば追突事故によって、バックパネルの奥の部分まで変形していると、器具を使って引っ張り上げるという作業が必要となり、この作業を行うと「修復歴あり」と判断されます。その場合は修復の内容を確認し、修復歴車として扱う必要があるかどうかを見極める必要があります。

修復歴車と評価点の関係

修復歴車はその修復内容や修復箇所によって、車両の評価点が決定されます。評価点は、車両の状態を表す指標で一般的に5点満点で表されます。

修復歴車の場合、評価点が4点以下になることが多く、特に骨格部分の修復が行われた車両は、3.5点以下になることがあります。

4点、3.5点の評価基準

修復歴車の評価点は、修復箇所や修復内容によって決定されます。

3.5点以下の評価点がつく具体的なケースは、ピラーの修復やフロアパネルの脱着を伴う修復が行われた場合です。

また、事故の状況によっては、骨格部分に大きな損傷がなくても、3.5点以下の評価点がつくこともあります。
ただしこれらの評価点はあくまで目安であり、実際の評価は査定員によって異なる場合があります。

オークション会場による評価の違い

修復歴車の評価点は、オークション会場によって異なる場合があります。これは、各オークション会場が独自の評価基準を設けているためです。例えばホンダ系のオークション会場では厳しい評価基準が設けられており、トヨタ系のオークション会場でも比較的厳しい評価が行われています。他にも、USSやベイオークなどといったオークション会場もあり、ホンダやトヨタと別の評価基準で審査をしているため、点数にばらつきが生じることも多いです。どちらのほうが適しているということではないため、バディカダイレクトでは真ん中くらいの評価を基準にしています。

修復歴車を購入する際は、必ず実車を確認し、修復内容や修復品質を確認することが重要です。

お客様の自己評価の重要性

修復歴車を売却する際、売主が行う自己評価も非常に重要です。自己評価とは、売主自身が車両の状態を評価し、買主に伝えることを指します。正確な自己評価を行うことで、売主は車両の適正な価値を判断し、円滑な取引を進めることができるのです。しかし自己評価を誤ると、売主に不利益をもたらす可能性がありますので注意しましょう。

過剰な自己申告による損失

修復歴車の自己評価において、よくある問題が過剰な自己申告です。売り主が軽微な損傷を過大に評価し「修復歴あり」と自ら申告してしまうケースがあります。

例えば「ちょっと擦ってバンパーを変えたら事故しちゃって…」と言って修復歴ありと申告してしまうと、業者によっては買取価格を下げられてしまう場合があるのです。修復歴車は、一般的に市場価値が20〜30%程度下がるとされています。

つまり軽微な損傷であっても、修復歴ありと申告してしまうと、本来の価値よりも安く売却してしまうことになるので注意が必要です。

セカンドオピニオンとしての専門家の活用

過剰な自己申告を避けるためには、専門家の意見を参考にすることも有効です。修復歴車の評価は、査定員によっても異なる場合があるため、複数の専門家に意見を求めることをおすすめします。具体的には、車両の写真を撮影し、複数の査定員に見てもらうのが良いでしょう。査定員は、写真から損傷の程度や修復箇所を判断し、適切な評価を行うことができます。また、実際に車両を査定してもらうことも有効です。専門家が直接車両を確認することで、より正確な評価を得ることができます。

ただし専門家の意見はあくまでセカンドオピニオンです。

最終的な判断は、売主自身が行う必要があります。専門家の意見を参考にしつつ、自己評価を行うことが重要です。過剰な自己申告を避け、適切な自己評価を行うことで、売主は修復歴車を適正な価格で売却することができます。そのためには、専門家の意見を参考にしつつ、慎重に判断することが大切です。

不正な修復歴車の存在

修復歴車の中には、適切な修復が行われていない事例も存在します。こうした不正な修復歴車は、購入者にとって大きなリスクとなるため、注意が必要です。ここでは不正な修復歴車の存在について具体的に見ていきましょう。

事故現状車の不適切な修復

事故現状車とは、事故によって大きな損傷を受けた車両のことを指します。本来、こうした車両は適切な修復が行われるべきですが、中には不適切な修復が行われる事例もあります。例えば、損傷部分を十分に修復せずに、表面的な修復のみを行うケースがあります。このような不適切な修復は、車両の安全性や耐久性に影響を与える可能性があります。

悪質な業者による問題

不正な修復歴車の背景には、悪質な業者の存在があります。こうした業者は、事故車を安価に購入し、不適切な修復を行って販売することで利益を得ています。悪質な業者による修復では、適切な修復作業は行われてはいませんが、見た目にバレないような修理を行っているため、見極めるのは非常に困難です。

信頼できる査定サービスの利用

修復歴車の購入を検討する際は、信頼できる査定サービスを利用することが重要です。専門の査定師による詳細な車両検査を通じて、修復歴の有無や修復の質を客観的に評価してもらうことができます。

バディカダイレクトでも、写真を見せてもらうだけでもある程度の判断は可能なため、1つのセカンド・オピニオンとして、利用していただくことも可能です。

査定サービスを利用することで、購入者は車両の状態を正確に把握し、適切な判断を下すことが可能になります。
信頼できる査定サービスを選択し、修復歴車の購入に役立てましょう。

 

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